REHAB TSUCHIDA REHABILITATION CLINIC
HOME > コラム(院長の雑学) > APSC発表を通して

コラム(院長の雑学)

NO.19  APSC発表を通して

平成24911日 アジア太平洋脳卒中カンファランス2012APSC1012)に参加して、口演をして参りました。
リハビリテーション部門での講演は、軽い麻痺の場合での日常での使用を強制する方法や磁石を用いた慢性期の脳卒中の方への効果とその効果機転の推測、ロボットを使っての上肢の運動補助などで、教育講演は殆どがこの
10年リハビリテーション医学会で発表されている内容でした。


  一般演題では、マレーシアなどの方が発表されていましたが、まだリハビリテーションへの流れのシステム作りの段階のような印象でした。日本は、回復期リハビリテーション病棟と言うシステム上の現状報告と分析、嚥下障害の方への取り組みでした。

小生の発表は、神経学だけでは理解できないことがあることを敢えて強調した内容です。何年も経過した脳卒中の後遺症の方が、いつも気にしているのが動かなくなった腕の事です。

 

脳卒中での麻痺については、漠然と「麻痺で動かないですから…」と説明されて、「リハビリをすると良くなりますが、完全に元の状態というわけではありません。」と続くわけです。「硬くならないように毎日動かしてください。」ともいわれます。

 

入院途中から、“日常生活動作”という単語が増えてきて、「一人で出来る事を確認しつつ、自宅退院目指して頑張ろう!」になります。歩くことを中心に訓練が進み、いつしか自宅に戻る算段を終始検討することになります。


「手の方は足ほど良くならないと言われていますので、反対の手で出来る事を多くしましょう。」利き手交換という訓練をすることになります。欧米の論文を見ても上肢機能は下肢機能ほど改善しないと明記されています。(2005年の神経セミナー)

 

脳卒中の麻痺は、片麻痺といいまして半身麻痺の状態です。筋力低下と協調運動障害が混在しているようです。意識して動かそうとする運動の障害とその動きを円滑にしてくれる意識しないで出来る協調運動の障害です。軽い麻痺でも上手く物を使えない不器用さがある感じです。

 

筋力低下が筋肉自体では無いのですが、動かそうと努力してもその努力に応じるだけの力が出せないのです。腕を上げる時に首から体から全身に力を込めてしまうようになって、体が硬くなってしまう。重力に抗して上げる筋肉の方が太いので肘や手首が曲がった状態になりやすい。


一方、足を振り出すのも大変だけど、良い方の脚に全体重を乗せて、ややつま先立ちする感じで悪い方の脚を体で振り出せば、少しは悪い足が前に進み、体重を一瞬掛ければ良い脚を振り出せるので、歩く訓練自体は成り立つ訳です。足をぶん回すような歩き方ではあるが、一人で歩けるようになります。


どちらも毎日毎日繰り返し訓練していくうちに、特有の姿勢と歩き方を体得してしまう。麻痺が軽いと協調障害が主体になり、上手くできなくてもどかしく焦ってしまい、結局日常生活のペースでは追いつけない感じで、使わなくなってしまう。


このジレンマを解消しようと色々な工夫がされているのです。良い手の方を使わないようにして、悪い方の手で一日の生活を通して使用頻度を上げる事で改善させるリハビリテーションや、頭に磁石を当てると悪い方の手を動かす時に邪魔をする刺激が少なくなるそうで(?)、それを利用して毎日磁石を掛けて訓練する方法。硬くなった筋肉をボツリヌスという毒を使って神経を壊して筋肉を弛緩させて行う方法などが、発表されていました。


我々は、低下した筋力では動かせない関節の抵抗を解消することで、筋肉の緊張を緩めて麻痺による筋力低下の度合いに応じて訓練をする方法を実践しています。
AKA-博田法で関節が原因で動きにくくなった状態を解消すると抵抗感の少ない状態で動かすことが出来るようになるわけです。


肩の動きのメカニズムを理解して動きやすくすることで本人の持つ能力を引き出すのが、機能回復への働きかけと思います。実際、二年以上麻痺側の腕が動かせなかった人が、メガネを自由につけ外ししたり、腕を動かす自主トレができるようになったりされているのを見ると、手も足の麻痺の度合いはほぼ変わらないと思います。

 


→ 「コラム一覧」へ

 
当院について

平成29年6月の休診日

4日、7日

11日、18日

21日、25日

第1.3.5水曜日は終日休診です

平成29年7月の休診日

2日、5日、9日

12日、16日、17日(祝)

19日、23日、26日、30日

7月より毎週水曜日は終日休診です

当院へのアクセス

MAP

所在地

東京都目黒区下目黒6丁目14-17

診療時間

平日・土曜日
午前 9:00〜12:30
午後 2:00〜6:00
※日曜・祝祭日休診
※診療時間は目安です。

クリニックの詳細を見る

▲pagetop